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2026/08/05 19:03 ~ なし
【大型アップデート(試作モデル)】花屋のオーダーシステムに「対話型AI(文章)」を実装しました

AI実装でさらにミスなく・ストレスなく
当社ではこれまで、花屋の実際の業務に合わせたオーダー管理システムの開発と改修を続けてきました。
今回、そのオーダーシステムに対話型AIを実装する大規模なアップデートを行いました。
開発と調整には約5日間をかけ、単純にAI機能を追加するだけではなく、
- 注文入力にかかる手間の削減
- 入力時のストレス軽減
- 未入力や確認漏れの防止
- 外出先での利用
- 通信障害時のデータ保護
- 手書きメモや写真データの保存
- AIが正常に判定できなかった場合の安全対策
まで含め、実務で安心して使用できる仕組みとして再設計しました。
今回は、このアップデートで何が変わったのか、どのような考えで開発したのかをご紹介します。
これまでのオーダーシステムについて
これまでのシステムも、花屋がお客様から注文を受ける際の流れに合わせて設計していました。
上から順番に、
- ご用途
- 商品の種類
- 金額
- 数量
- お届け日
- お届け時間
- お届け先
- ご注文主
- お札やメッセージ
- 配達に必要な情報
- お支払い方法
- 備考
などを入力していくことで、必要な情報を整理できる仕組みです。
花屋の注文は、単純に商品名と数量を入力すれば完了するものではありません。
例えば、お祝い用のスタンド花であれば、
「1段なのか2段なのか」
「看板には何と書くのか」
「誰から誰に贈るのか」
「いつ、どこへ届けるのか」
といった情報が必要になります。
葬儀用のご注文では、さらに斎場名、葬家名、開式時間、持込料、設置条件など、確認しなければならない項目が増えます。
これらを確実に確認するため、従来のシステムでは、花屋のスタッフがお客様に聞きたい順番に沿って入力できるようにしていました。
しかし、どれだけ入力画面を整理しても、注文が集中している時間帯や電話応対中、外出先などでは、入力そのものが負担になることがあります。
そこで今回、入力作業をさらに軽減するためにAIを実装しました。
対話型AIによる注文内容の自動判定
今回実装したAI機能では、注文内容を文章として入力することで、AIが内容を読み取り、それぞれの入力項目へ振り分けます。
例えば、
「株式会社〇〇様から、開店祝いの1段スタンド花を16,500円で、8月10日の午前中に〇〇店へ配達。看板名は株式会社〇〇代表取締役〇〇」
といった形で入力すると、AIが文章の内容を解析し、
- ご用途
- 商品
- 金額
- 配達日
- 配達時間
- お届け先
- ご注文主
- 看板名
などを判定します。
これにより、スタッフが一つひとつ入力欄を探して手作業で入力する必要が大幅に減りました。
文章は必ずしも整った形式である必要はありません。
実際の花屋の現場では、電話を受けながらメモを取ることも多く、内容の順番が前後したり、改行が入ったり、箇条書きになったりします。
今回のAIは、そうした実務上の入力方法も想定し、文章の順番や改行だけに頼らず、書かれている内容の意味を判断する設計にしています。
AIが一方的に処理するのではなく、不足内容を聞き返す仕組み
今回の大きな特徴は、単なる自動入力機能ではなく、AIとの対話によって注文内容を完成させる仕組みにしたことです。
注文内容を入力した際に必要な情報が不足している場合、AIが不足している項目を判定し、スタッフへ確認を行います。
例えば、スタンド花の注文に金額や商品名は書かれていても、配達日が入力されていない場合には、AIが配達日について聞き返します。
また、看板名は入力されているものの、ご注文主が明確に書かれていない場合には、内容の関係性を確認しながら必要な情報を補完します。
これまでの入力システムでは、入力する人が自分で不足項目に気づかなければ、空欄のまま登録してしまう可能性がありました。
今回の対話型AIでは、AI側から確認を促すことで、注文情報の完成度を高めています。
AIが一方的に入力方法を押し付けるのではなく、スタッフと一緒に注文内容を確認しながら完成させていく設計です。
認識できなかった項目を色で表示
AIを実装したからといって、すべての情報を完全に自動判定できるわけではありません。
入力する人によって書き方の表現方法は異なります。
略称や業界用語、名前の読み方、複数の商品を含む注文など、AIだけでは確定できない内容もあります。
そこで今回のシステムでは、AIが認識できなかった項目や、確定できなかった項目に対して、画面上でマーカーを表示する仕組みを実装しました。
不足している部分や確認が必要な部分を色で判別できるため、スタッフは画面を見るだけで、どこを確認すればよいのか把握できます。
これは単なる入力補助ではなく、視覚的にミスを防止するための安全機能です。
注文入力で危険なのは、入力されていないことに気づかないまま、登録や印刷まで進んでしまうことです。
不足項目が目立つように表示されることで、
「入力したつもりだった」
「確認したと思っていた」
「忙しくて空欄を見落とした」
といった事故を減らすことができます。
AIの判断後も、人間が最終確認を行う設計
今回のシステムでは、AIによる判定結果をそのまま完全自動で確定する仕組みにはしていません。
AIが注文内容を整理し、入力作業を補助したうえで、最終的には人間が内容を確認します。
お客様からお預かりする注文情報には、お名前、会社名、配達先、日時、金額、看板内容など、間違えることのできない重要な情報が含まれています。
特にお祝い花や葬儀花は、間違いが起きた際に、単純な商品交換だけでは済まない場合があります。
そのため、
AIが入力を補助すること
と、
人間が責任を持って確認すること
を分けて考えています。
AIは人間の仕事をすべて置き換えるものではありません。
入力や整理、確認項目の抽出など、AIが得意な部分を任せることで、人間は最終確認やお客様への対応に集中できます。
今回の改修は、AIに仕事を任せるためではなく、AIを使って人間のミスや負担を減らすことを目的としています。
外出先のタブレットや携帯端末でもAI機能を利用可能
花屋の注文は、必ずしも店舗のパソコンで受けるとは限りません。
配達先、葬儀会場、イベント会場、移動販売先など、外出先で注文内容を確認したり、追加注文を受けたりすることがあります。
そこで今回のシステムでは、自社のメインPCを、
- 実務用パソコン
- データ管理の基盤
- AI処理の中継基地
として活用する構成を取り入れました。
店舗のメインPCと外出先の端末を連携させることで、タブレットや携帯端末からでも注文システムを使用し、AIによる内容判定を行えるようにしています。
これにより、店舗へ戻ってからメモを見ながら再入力する必要が減ります。
外出先で受けた注文をその場で入力できるため、
- 転記作業の削減
- メモの紛失防止
- 入力忘れの防止
- 店舗との情報共有
- 注文処理の早期化
につながります。
社内のパソコンだけで完結するシステムではなく、実際にスタッフが動く場所に合わせて利用できる仕組みを目指しました。
通信ができない場合に備えた一時保存機能
外出先では、常に安定したデータ通信ができるとは限りません。
建物の構造、地下、会場内の電波状況、通信障害などにより、一時的に通信できなくなる場合があります。
通信が切れたことで、入力途中の注文内容がすべて消えてしまっては、実務で安心して使用することができません。
そこで今回、通信できない状況でも入力内容を端末内のローカルストレージへ一時退避できる機能を実装しました。
データ送信が正常に完了していない場合でも、入力内容を一時的に保持することで、通信が回復した後に内容を確認できます。
これにより、万が一の通信障害や操作中断が発生した場合でも、最初から入力をやり直すリスクを軽減しています。
お客様からお預かりした注文内容は、単なる入力データではありません。
お届け日時やお名前、用途など、再確認が難しい情報も含まれます。
そのため、通常時に便利であるだけではなく、異常が起きた場合にもデータを守れることを重視しました。
手書きメモを残せる写真撮影機能
今回のアップデートでは、写真撮影機能も実装しました。
電話注文や対面での注文では、最初に紙へ手書きでメモを取ることがあります。
入力に慣れているスタッフであっても、お客様との会話を止めずに内容を記録するためには、手書きのほうが早い場面があります。
一方で、紙のメモには、
- 紛失する可能性がある
- 文字が読みにくくなる
- どの注文のメモか分からなくなる
- 店舗間で共有できない
- 外出先から確認できない
といった問題があります。
そこで、手書きメモを端末のカメラで撮影し、注文情報とあわせて保存できるようにしました。
撮影した写真は、単に端末内へ残すのではなく、写真保存用のサーバーへ保管する仕組みにしています。
これにより、撮影した端末を変更した場合や、端末内のデータに問題が発生した場合でも、必要な写真を確認できるようになります。
入力操作が苦手なスタッフであっても、まずは手書きで内容を記録し、その写真を保存しておくことで、情報を失う危険性を抑えられます。
AI入力、手動入力、写真保存という複数の方法を用意することで、スタッフの習熟度や利用する場面に応じて使い分けられる設計にしています。
AIだけに依存しない多重の安全対策
今回のアップデートでは、AIの便利さだけを追求したわけではありません。
AIが正常に判定できない場合、通信ができない場合、入力者が操作に慣れていない場合など、さまざまな状況を想定しています。
主な安全対策として、
- AIが認識できない項目のマーカー表示
- 不足内容をAIが聞き返す対話機能
- 人間による最終確認
- 通信障害時のローカル一時保存
- 手書きメモの写真保存
- 写真データのサーバー保管
- 外出先端末と社内システムの連携
を組み合わせています。
一つの機能だけですべてを解決するのではなく、複数の方法でデータを守り、入力ミスを防ぐ考え方です。
システムは、正常に動いているときだけ便利でも十分ではありません。
問題が発生したときに、どのようにデータを残し、どのように業務を継続できるかが重要です。
今回の改修で目指したもの
今回の改修で最も重視したのは、単純な作業時間の短縮だけではありません。
注文入力にかかる精神的な負担や、確認漏れに対する不安を減らすことも大きな目的です。
花屋の繁忙期には、電話、接客、制作、配達、仕入れ、会計など、複数の業務が同時に進みます。
その中で注文内容を正確に入力し、さらに別のスタッフへ共有する作業は、大きな負担になります。
入力作業に時間を取られるだけでなく、
「何か聞き忘れていないか」
「入力を間違えていないか」
「看板名はこれで正しいか」
「配達時間は確認したか」
と考え続けること自体が、スタッフのストレスになります。
今回の対話型AIは、こうした負担を減らすためのものです。
AIが内容を整理し、不足項目を示し、必要に応じて質問することで、スタッフは確認すべき点に集中できます。
その結果として、
- 入力時間の短縮
- 転記作業の削減
- 未入力事故の防止
- 確認漏れの削減
- スタッフ間の情報共有
- 外出先での業務効率化
- 入力責任者の精神的な負担の軽減
が期待できます。
花屋の現場で本当に使えるAIを目指して
現在、さまざまな業界でAIの導入が進んでいます。
しかし、AIを導入したという事実だけでは、業務改善にはつながりません。
重要なのは、実際の仕事の流れに合わせてAIを組み込むことです。
花屋の注文には、一般的な商品販売とは異なる複雑さがあります。
用途、商品、金額、色、花の種類、配達日時、お届け先、ご注文主、札名、葬家名など、多くの情報が関係します。
また、同じ内容でも、お客様によって伝え方が異なります。
今回の開発では、AIの技術を先に置くのではなく、花屋の現場で起きている問題を先に考えました。
そのうえで、
「どの部分をAIに任せれば負担が減るのか」
「AIが間違えた場合にどう気づくのか」
「通信できない場合にどうするのか」
「入力が苦手な人でも使えるか」
という点を一つずつ検討し、機能として実装しています。
約5日間をかけた大型アップデート
今回の改修は、約5日間をかけて行いました。
AIの判定機能を追加するだけではなく、実際の注文例を使いながら、
- 改行された文章を正しく認識できるか
- 複数の商品が含まれていても判別できるか
- 看板名とご注文主の関係を判断できるか
- 不足項目を正しく検出できるか
- AIが必要な内容を聞き返せるか
- 外出先の端末から使用できるか
- 通信が切れた場合に入力内容が残るか
- 撮影した写真が保存されるか
などを繰り返し(アップデート回数は100回以上)確認しました。
実際の業務では、整った文章だけが入力されるわけではありません。
短いメモ、箇条書き、改行、表記の揺れ、省略された内容など、さまざまな入力方法があります。
そのため、見た目だけ動くシステムではなく、実際の注文を想定した調整を重ねました。
システム開発の目的は、仕事を複雑にすることではない
新しいシステムを導入すると、かえって入力項目が増えたり、操作方法を覚える負担が増えたりすることがあります。
しかし、本来システムは、人間の仕事を複雑にするものではありません。
作業を整理し、間違いを減らし、本来行うべき仕事へ集中するための道具であるべきです。
花屋の本来の仕事は、入力作業そのものではありません。
お客様のご要望を正しく受け取り、用途に合った花を作り、決められた日時と場所へ確実に届けることです。
今回のAI実装によって、入力作業や確認作業にかかる負担を減らし、接客、制作、配達といった本来の仕事に、より多くの時間を使えるようにしたいと考えています。
今後も実務に合わせて改善を続けます
今回のアップデートにより、オーダーシステムは大きく進化しました。
しかし、システム開発に完成はありません。
実際に使用する中で、新しい課題や改善点が見つかることもあります。
今後も実務での利用結果を確認しながら、
- AIの認識精度向上
- 複数商品の判定改善
- 表記の揺れへの対応
- 写真データとの連携強化
- 入力確認画面の改善
- より分かりやすい対話方法
- スタッフごとの操作負担の軽減
などを進めていく予定です。
今回の大型アップデートは、単なるAI機能の追加ではありません。
AI、データ保存、写真記録、外出先での利用、通信障害への備えを組み合わせ、花屋の注文業務全体をより安全で使いやすいものへ改善する取り組みです。
お客様からお預かりした大切な注文情報を守りながら、スタッフの負担や無駄を減らす。
そして、誰が使用しても確認漏れや入力事故が起きにくい仕組みを作る。
これからも実際の現場で必要とされる機能を考えながら、より便利で、より安全なシステムへ進化させていきます。
あとがき
今回ご紹介した機能は、現在も開発・検証段階にあり、正式なロールアウトには至っておりません。
現時点でも一定の入力補助や安全対策は実装できていますが、実際の現場で誰もが迷わず使える状態にするためには、さらに細かな調整が必要だと考えています。
目指しているのは、利用する人がシステムの仕組みを理解したり、操作方法を深く考えたりしなくても、画面の案内に沿って進めるだけで自然に注文内容が完成するシステムです。
AIを搭載していても、使うために専門的な知識や複雑な操作が必要であれば、本当の意味で便利なシステムとはいえません。
これから実際の注文を想定した検証を重ねながら、入力方法、AIとの対話、確認画面、エラー表示などをさらに見直し、初めて利用する人でも直感的に使いこなせる仕様へ改修していきます。
正式な運用開始に向けて、利便性だけでなく、安全性と分かりやすさを最優先に、引き続き開発を進めてまいります。


