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2026/07/11 11:03 ~ なし
【雑談】令和における「価値」の違いと専門店の役割

夏こそ徹底する、花の鮮度と在庫管理|専門店が考える「良い花の価値」
夏は気温が高く、「お花を買っても長持ちしないのでは」と、購入をためらう方も多いのではないでしょうか。
実際、冬に比べると、夏は暑さによって切り花の傷みが早くなる場合があります。
だからこそ、夏の生花販売で重要になるのが、単純にたくさんの商品を並べることではなく、仕入れ量と在庫日数を徹底して管理することです。
フラワーショップマルイチでは、夏の暑い時期ほど、鮮度を最優先した仕入れと販売に取り組んでいます。
冷蔵庫に入れておけば、必ず長持ちするわけではありません
一般的な生花店では、切り花専用の冷蔵庫を使用して商品を保管します。
冷蔵庫の中では低温を維持できるため、保管中の品質を管理しやすいというメリットがあります。
一方で、加工や販売のために冷蔵庫から花を出した際、店内や屋外との大きな温度差が花に負担を与える場合があります。
特に札幌でも気温が高くなる夏場は、冷えた状態から急に暑い環境へ移動することで、花の状態が変化しやすくなります。
弊社では、原則として冷蔵庫による長期保管を行わず、店内の常温環境で保管・販売しています。
最初から実際に飾られる環境に近い温度で管理することで、急激な温度変化による負担をできる限り抑えるためです。
ただし、この方法は、花を常温で置いておけばよいという単純なものではありません。
実現するためには、徹底した仕入れ管理と、短期間で商品を回転させる販売力が必要になります。
花市場の仕入れは、基本的に月曜日・水曜日・金曜日
札幌の花市場では、通常、月曜日・水曜日・金曜日に切り花の競りが行われます。
弊社も市場や仲買業者を通じて、基本的には月・水・金曜日に商品を仕入れています。
つまり、多くの週では一日おきに新しい花を入荷できるということです。
そこで弊社が目指しているのが、次回の入荷までに販売・加工で使用する数量を予測し、必要な分だけを仕入れることです。
過去の販売実績、曜日、天候、気温、季節行事、ご予約、法人様からのご注文などを確認しながら、店舗ごとの必要数量を決めています。
簡単に言えば、
当日から翌日を中心に販売する数量を仕入れ、次回の入荷日には新しい花へ入れ替えていく。
この短い在庫サイクルを徹底することで、夏の暑い時期に、入荷から何日も経過した花を販売することをできる限り防いでいます。
「適切な商品を、適切な数量で、適切な時期に、適切な価格で」
小売業には、マーチャンダイジングという考え方があります。
お客様が必要とする商品を、適切な数量、適切な時期、適切な場所、適切な価格で提供するための仕組みです。
生花は、仕入れた瞬間から状態が変化していく商品です。
日用品のように、在庫が多ければ多いほどよいというものではありません。
一見すると、店内に大量の花が並んでいる方が、品ぞろえが豊富で鮮度もよく見えるかもしれません。
しかし、販売数量を超えて仕入れた花は、時間の経過とともに鮮度が低下します。
最終的には値下げや廃棄が必要となり、そのロスは、別の商品や今後の販売価格に反映せざるを得ません。
過剰な在庫を抱え、その損失を販売価格に上乗せするのではなく、必要数量を正確に見極め、商品を新鮮なうちに販売する。
これが、弊社の考える夏の在庫管理です。
スーパーの花と、花の専門店の商品は何が違うのか
現在は、スーパーや量販店でも、気軽に切り花を購入できる時代です。
お買い物のついでに購入でき、価格も比較的安いことは、大きなメリットです。
一方で、花は同じ品種名であっても、すべてが同じ品質ではありません。
花の大きさ、茎の太さ、長さ、輪数、ボリューム、等級、産地、収穫時期などによって、見た目や花持ちは大きく変わります。
例えば、同じ「菊」「カーネーション」「ユリ」であっても、上位等級の商品と、価格を重視した商品とでは、実際に手に取った際の存在感が異なります。
弊社が重視しているのは、次の二つです。
徹底した鮮度主義。
そして、
徹底した上位等級主義。
そのため、弊社には量販店で販売されているような価格帯の商品が少なく、単純な一本当たりの価格だけを比較すると、割高に見える場合があります。
しかし、サイズ、等級、産地、ボリューム、花持ちまで含めると、同じ名前の花でも内容は異なります。
価格だけでなく、実際に飾った際の美しさや、楽しめる期間まで含めて比較していただきたいと考えています。
良い花を長く楽しむことも、一つのコストパフォーマンス
生花は生活必需品ではありません。
そのため、暑い時期に花が長持ちしないと感じると、購入を後回しにしてしまうこともあると思います。
もちろん、安価な花には、気軽に購入できるという大きな価値があります。
しかし、せっかくお花を購入するのであれば、品質のよい花を選び、少しでも長く楽しむという考え方もあります。
一本当たりの価格が多少高くても、花が大きく、状態がよく、長期間楽しめるのであれば、結果として満足度やコストパフォーマンスが高くなることがあります。
価格が安いからお得なのではなく、支払った価格以上に長く、美しく楽しめることがお得である。
弊社が目指しているのは、そのような花の販売です。
専門店の役割は「徹底力」にあります
量販店には、利便性や価格、豊富な取扱商品という強みがあります。
一方、花の専門店に求められるのは、花だけを扱うからこそ実現できる専門性です。
仕入れ先を選ぶこと。
産地や等級を確認すること。
季節や気温に合わせて数量を調整すること。
入荷した花の状態を一本ずつ確認すること。
用途に合わせて適切な花を選ぶこと。
法人様へのお祝い花、店舗装花、定期装花、葬儀や法要のお花では、使用する日時から逆算して仕入れや加工を行うこと。
こうした一つひとつの積み重ねが、専門店の価値になると考えています。
花という「ぜいたく品」だからこそ、品質を大切にしたい
花は、食事や衣類のような生活必需品ではありません。
言い換えれば、暮らしに彩りや安らぎ、気持ちの豊かさを加えるための、ぜいたく品です。
ぜいたく品だからこそ、最終的に求められるのは、単なる安さではなく品質ではないでしょうか。
昨今、原材料費、輸送費、人件費など、さまざまな費用が上昇しています。
花の価格についても、「以前より高くなった」と感じる場面が増えていると思います。
しかし、価格の数字だけを見るのではなく、その商品によって得られる品質、時間、満足感まで含めて考えることも大切です。
50年前の一万円と、現在の一万円では、購入できる商品やサービスの内容が異なります。
お金の価値や物価が変化する中で、私たち販売店には、単に価格を上げるのではなく、価格に見合った価値をつくり続ける責任があります。
私たちが目指すのは、価格以上の「価値創造」
夏だから花が持たない。
暑いから仕方がない。
その一言で終わらせるのではなく、仕入れ量、在庫日数、商品の等級、産地、販売方法を見直し、少しでもよい状態でお客様へお渡しする。
そのために必要なのが、徹底したデータ管理と在庫管理です。
たくさん仕入れて、たくさん並べることが目的ではありません。
必要な花を、必要な数量だけ仕入れ、新鮮な状態で販売する。
そして、個人のお客様にも法人のお客様にも、価格以上の品質と満足をお届けする。
良い花を、できる限り新鮮な状態で、長く楽しんでいただくこと。
それが、フラワーショップマルイチの考える、夏の生花販売と専門店としての価値です。


